iGEM(アイジェム)、合成生物学の世界的コンペティションについて解説!【歴史や参加チームについても】【The International Genetically Engineered Machine competition】

テクノロジー
スポンサーリンク

はじめに

ぺぐ
ぺぐ

こんにちは、ぺぐです!

最近、生成AIや合成生物学(Synthetic Biology)について興味があり色々調べてみると、iGEMという合成生物学の大会があることを知りました!今回はそんなiGEMについて、歴史や参加チーム、活躍する日本勢について紹介したいと思います!

メイントピック

そもそもiGEMとは?

iGEM(アイジェム:The International Genetically Engineered Machine competition)とは、合成生物学の分野で行われる国際的なコンペティションです

合成生物学とは、自然界に存在する生物の部品を組み合わせて、新しい機能を持つ生物システムを作り出すことを目指す学問分野ですが、iGEMでは、世界中の高校生、大学生、大学院生がチームを組み、自分たちでデザインした生物システムを開発し、その成果を発表します。

例えば、バクテリアに特定の遺伝子を組み込んで新しい薬を作ることや、環境問題を解決するための新しい技術を開発することを目標としており、合成生物学の技術を深めるだけでなく、チームワークやプレゼンテーション能力も鍛えられる素晴らしい機会と位置付けられています。

ぺぐ
ぺぐ

合成生物学について過去に記事で纏めていますので、こちらもご覧ください。

iGEMの歴史について

iGEMの始まりは2003年、マサチューセッツ工科大学(MIT)の学生たちが夏の研究プロジェクトとして始めたことに遡ります。

最初は4チームが参加する小さなコンペティションでしたが、その後急速に成長し、2004年には全米か5チームが参加するようになりました。そして、2005年にはヨーロッパからも2チーム参加し、今やiGEMは世界中の数百のチームが参加する大規模な大会となりました。

iGEMの人気が高まるにつれ、大会の運営もプロフェッショナル化し、現在では独立した非営利団体として運営されています。iGEMの成功は、学生たちの創造力と情熱が世界中で共有され、新しい技術の発展に寄与していることを示しています。

ちなみに、2024年現在の登録チームを見てみると、「アジア」項目では中国からの参加チームが圧倒的に数が多いです。日本からは7チームが登録されており、6つは大学関係、1つはなんと高校生チームでした。(2024年6月21日時点)

ぺぐ
ぺぐ

またMIT、さすが米国No1工科大学。GinkgoBioworks(ギンコバイオワークス)の創業メンバーもMIT卒だったよね。

iGEMの歴代金メダリスト

iGEMの歴代金メダリストは、毎年異なるテーマや技術で斬新なプロジェクトを発表してきました。これらの優勝プロジェクトは、科学的な革新性だけでなく、社会に対する貢献度や実用性も評価されています。iGEMの優勝者たちは、その後も研究を続けたり、スタートアップ企業を立ち上げたりして、学術界や産業界で活躍しています。iGEMでの経験は、彼らのキャリアに大きな影響を与えています。

※審査の上、金銀銅のメダルが複数チームに授与されるようです。最優秀賞ももちろん決めるようです。

ちなみに、2004年の初代金メダリストはマサチューセッツ工科大学(MIT)でした。彼らのプロジェクトは、シンプルな生物システムを構築することに焦点を当てており、合成生物学の基礎的な概念を実証するものでした。この時期、iGEMはまだ小規模な大会で、参加チームも限られていましたが、その後急速に成長しました​。

例えば、2023年にはケンブリッジ大学のチームが金メダルを獲得しました。彼らのプロジェクトは、抗菌性バイオフィルムを開発することで、動物農場での病原菌の感染を防ぐことを目指したものでした。このプロジェクトは、抗生物質の過剰使用を減らし、抗菌剤耐性の問題に対処するための革新的なアプローチでした​。

Cambridge iGEM Win Gold Medal | Engineering Biology in Cambridge
The University of Cambridge iGEM Team obtained a Gold medal in the 2023 International Genetically Engineered Machine (iGEM). The team engineered a bacterial bio...

他にも、2022年の優勝チームはグローニンゲン大学で、彼らは「Nanobuddy」というプロジェクトで金メダルを獲得しました。このプロジェクトは、ナノスケールの技術を使って病気の診断や治療を改善するものだったようです。

Cambridge iGEM Win Gold Medal | Engineering Biology in Cambridge
The University of Cambridge iGEM Team obtained a Gold medal in the 2023 International Genetically Engineered Machine (iGEM). The team engineered a bacterial bio...

iGEMは、毎年多くの学生たちが新しいアイデアと技術で挑戦する場であり、その成果は科学技術の発展に大きく寄与しています。

iGEMは高校生でも参加できるの?

iGEMには高校生も参加することができます。

iGEMの大会には「High School」カテゴリがあり、ここでは高校生チームが自分たちのプロジェクトを発表します。高校生チームは、大学生チームと同様に、自分たちでアイデアを出し、実験を行い、その成果を発表することが求められます。

これにより、高校生たちは早い段階から合成生物学に触れ、科学技術の面白さを実感することができます。また、iGEMは高校生にとって、国際的な舞台で自分の能力を試す絶好の機会でもあります。参加するためには、学校のサポートや指導教員の協力が必要ですが、多くの高校が積極的にiGEM参加を支援しています。

ぺぐ
ぺぐ

2024年参加チームにも、日本の「GrandTokyo」という高校生チームが参加していたよ!

複数の高校からの混成チームみたいだね!

iGEMとは?高校生チームGrand Tokyoの紹介|iGEM Grand Tokyo
初めまして、合成生物学の大会iGEM 2024に日本から出場する唯一の高校生チーム、Grand Tokyoです!🗼🌸 私達はiGEMの最優秀チームに贈られる「Grand-Prize」を目指して活動しています! 合成生物学 (Synthetic Biology)とは 生物の細胞や遺伝子を「部品」のように捉え、遺伝子を組...

彼らのnoteを読んでみましたが、高校生でも高い志をもって、積極的に活動しているのは尊敬の念しかないです…。

iGEMで活躍する日本の大学!

iGEMで活躍する日本の大学も多く、特に早稲田大学、東京大学、京都大学などが有名です。

これらの大学は、毎年多くの優秀な学生を送り出し、優れたプロジェクトを発表しています。例えば、東京大学のチームは、環境保護や医療分野での革新的な技術を提案し、高い評価を受けています。京都大学のチームも、バイオテクノロジーを活用した新しいアプローチで注目を集めています。早稲田大学は、学生たちの創造力と実践力を生かしたプロジェクトで、数々の賞を受賞しています。これらの大学は、iGEMを通じて学生たちの研究意欲を高め、科学技術の発展に寄与しています。

最後に

公式HPでの研究紹介や、日本チームのHP/サイトを見ていると、この分野への興味が一層わいてきました。これからも合成生物学について学んだこと、調べたことを纏めていきますので、ぜひご覧ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました