はじめに
こんにちは、ぺぐです!
6月も後半になり、梅雨の時期。日本各地の田んぼにも水が張られ、少し時間がたってきたころではないでしょうか。
最初はただ水が張られていただけの場所だった田んぼにも、いつしか気が付くと小さな生き物がうようよ泳いでいた・・・。そんな光景をみたことはありませんか?
今回はそんな田んぼに現れる不思議な生命体について、2種ご紹介致します。
たんぼが近くにない方は、こんな生き物もいるんだ~程度に読んでみてください!
田んぼに現れる不思議な生き物2選+α
ホウネンエビ(豊年蝦)について
田んぼに住んでいるホウネンエビは、夏に特に見かける小さなエビのような生き物です。
体長が1センチから2センチ程度で、体が透明なので、中身が透けて見えるのが特徴です。名前の「ホウネン」とは、古くから稲作と関係が深いことから付けられました。(=豊年)
ホウネンエビの生態はとても不思議で、田んぼに水が入ると、土の中に眠っていた卵が孵化し、数日で成長します。そして、2週間ほどの短い期間で次の世代の卵を産みます。成体になると、泳いで水中の藻やデトリタス(有機物の破片)を食べて生活します。
ホウネンエビの飼育は比較的簡単です。まず、田んぼや水田から採取してきた水と一緒にバケツや水槽に移します。次に、水草や浮き草を入れて、エビが隠れたり休んだりできる場所を作ります。餌は市販の魚のえさ(少量与え、水で分解されるのを待つ)、すりおろした野菜、さらに水中の藻などを与えると良いでしょう。ミジンコのように、ドライイーストも食べます。
注意点としては、水質の管理が大切になります。定期的に水を交換し、清潔な環境を保つことで、ホウネンエビは元気に過ごすことができます。
メダカなどの魚よりも水質変化に弱いので、換水時は少しずつ行いましょう。
また、カルキ抜きは必須です!
ちなみに、狭い水槽で魚と一緒に買うと、ほぼ一晩で食べつくされてしまうので注意です。
カブトエビ(兜蝦)について
カブトエビは、田んぼや湿地に生息する不思議な形をした生き物です。
名前の通り、甲羅が頭部を覆っていて、カブト(兜)のように見えます。この甲羅は、カブトエビを外敵から守る役割をしています。体長は3センチから5センチ程度で、全身が甲羅に覆われています。
カブトエビの生態もホウネンエビと非常に似ており、短命です。
春から夏にかけて田んぼに水が入ると、土の中で休眠していた卵が孵化し、約1ヶ月で成長して成虫になります。カブトエビは、水中のデトリタスや微生物を食べて成長します。
食事スピードはホウネンエビよりも早いので、カブトエビは「田んぼの掃除屋」とも呼ばれ、水質を良くする働きも持っています。
カブトエビの飼育も比較的容易です。飼育環境としては、浅めの水槽やバケツを使います。水草や石を入れて、自然に近い環境を作ると良いでしょう。餌は、市販のエビ用のフードや、すりおろした野菜を与えると元気に育ちます。特に注意する点は、水温と水質です。水温が高すぎると弱ってしまうため、適度な温度(20度前後)を保つことが大切です。
番外編:ジャンボタニシについて
ジャンボタニシは、外来種の貝で、日本の田んぼや水路に生息しています。
「ジャンボタニシ」とはでっかいタニシに見えるからついた通称で、本来は「スクミリンゴガイ」という全くの別種です。
見た目は普通のタニシに似ていますが、その名の通り非常に大きく、殻の大きさは5センチから10センチにもなります。ジャンボタニシは、1980年代に観賞用として日本に持ち込まれましたが、現在では野生化し、田んぼの稲を食べる害虫として知られています。
ジャンボタニシの生態はとても強力で、さまざまな環境に適応します。彼らは水中の藻やデトリタスを食べるだけでなく、稲の新芽も食べてしまいます。そのため、農家にとっては大きな問題となっています。また、通常のタニシとはことなり濾過摂食ができないため、水中の浮遊物質を餌としてとりこむことはなく、水質浄化にはほとんど意味をなさないというのも欠点(?)です。
ジャンボタニシは、一度に大量の卵を産むことができ、その卵はピンク色で目立ち、神経毒をもつという危険な代物です。卵は水面近くに産み付けられ、孵化するとすぐに水中に潜ります。
特に関西地方ではこのジャンボタニシの繁殖が問題となっており、農家さんは非常に困っています。くれぐれも、他地方や他の田んぼに持ち込むことが無いように気を付けましょう。
ピンクの卵には弱点があって、水中に落とすと孵化できなくなるよ!
そのため、稲作作業中に卵を見つけ次第、水中に沈めてしまう農家さんもいるとか。
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